浅野智彦『趣味縁からはじまる社会参加』
浅野智彦『趣味縁からはじまる社会参加』(岩波書店、2011年)
(メモ)
・人間関係の稀薄化した現代社会において、社会参加へと人々を導いていく道筋の一つとして、趣味を媒介とした人間関係があり得るのではないか。趣味縁とは、親密性と公共性との中間にあって両者の橋渡しをするものではないか、という仮説を提示。
・社会関係資本→利得を生み出す資本として考えるか?/外部効果を期待する公共財として考えるか?→本書では後者の考え方から「趣味縁」を二次的結社(ロバート・パットナム『哲学する民主主義』『孤独なボウリング』)にあたるものと捉える。
・俳諧など近世の趣味縁→アイデンティティ・スイッチング(池上英子『美と礼節の絆』)、戦後のサークル運動→自己の多元性(鶴見俊輔)、消費社会における社交の倫理→柔らかい個人主義(山崎正和)、女性たちのネットワークとしての女縁→アイデンティティのリスク・マネージメント(上野千鶴子)。
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