田村秀『暴走する地方自治』
田村秀『暴走する地方自治』(ちくま新書、2012年)
大阪都、中京都、新潟州など制度再編の話題が喧しいが、これまで鳴り物入りで登場した「改革派」知事たちも結局、実績を残せなかったことを指摘。制度を変えればすべて良くなるかのようなイメージを振りまき、それが劇場型ポピュリズム政治の看板に使われているだけ、という論点は確かにその通りだと思う。日本の地方自治制度の歴史的背景や海外との比較などを織り込みながら解説が進められるが、「改革派」知事たちをこき下ろすあまり、現行地方自治制度をそっくりそのまま擁護する論調のような印象も受けてしまった。逆に現行制度に問題はないのか、その点が気になる。
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