【映画】「ル・アーヴルの靴みがき」
「ル・アーヴルの靴みがき」
フランスの港町、ル・アーヴルで、靴みがきをしながら生計を立てている老人マルセル。芸術家肌で若い頃はボヘミアン的な生活を送っていたらしい。立ち直るきっかけをつくった妻は彼が動揺するのを恐れて病気のことを隠していたが倒れてしまい、入院することになった。そうしたある日、マルセルは不法移民としてアフリカからやって来た少年に出くわした。成り行きから彼を匿うのだが、警察は嗅ぎつけた様子。ご近所さんとの連係プレーで何とか出し抜いたと思ったのだが…。
不遇な人生。淡々と続くかのように思っていた日常生活の中、突発的に降りかかったアクシデント。もうダメか、と思っても、どんでん返しでハッピー・エンド。それも陳腐な終わらせ方ではなく、こういう人生も悪くない、と思わせる余韻──カウリスマキ映画のセオリーは今作「ル・アーヴルの靴みがき」でもいつも通りだ。これまでにも「浮き雲」「過去をなくした男」「街のあかり」などの作品を観てきたが、カウリスマキの映画は安心して観られるのが良い。
それにしても、カウリスマキの映像アングルって独特で、人物の配置の仕方を見ると「ああ、これはカウリスマキだな」ってすぐ分かる。どういう感じなのかはうまく説明できないのだが。
【データ】
原題:Le Havre
監督・脚本:アキ・カウリスマキ
2011年/フィンランド・フランス・ドイツ/93分
(2012年5月12日、渋谷・ユーロスペースにて)
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