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2012年3月11日 (日)

【映画】「私を離さないで」

「私を離さないで」

 カズオ・イシグロの原作(ハヤカワ文庫)は映画化以前にすでに読んでいた。最初は「ん?学園ものか?」と思いつつ設定の奇妙さに戸惑いながら読み進めていくと、徐々に主人公たちが臓器提供のためのクローンであることが分かっていく構成だったと思うが、映画では最初からそのことが分かるようになっている。2通りの受け止め方があり得るだろうか。第一に、臓器提供のためクローンを作り出したとして、では「人間らしさ」とは何か?という問題。第二に、物語世界としてクローンがすでに所与の条件となっている中で、自分が生きて死んでいくことにどのような意味づけを図るかを考える寓話として。私としては後者の方で、運命への屈従でも諦念でもない形で受け入れていく姿、それを描き出す静かに落ち着いた映像がしんみりと美しく、印象的だった。

【データ】
監督:マーク・ロマネク
原作:カズオ・イシグロ
2010年/イギリス・アメリカ/105分
(DVDにて)

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