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2012年1月 3日 (火)

木村汎・袴田茂樹・山内聡彦『現代ロシアを見る眼──「プーチンの十年」の衝撃』

木村汎・袴田茂樹・山内聡彦『現代ロシアを見る眼──「プーチンの十年」の衝撃』(NHKブックス、2010年)

・1999年にプーチンが首相に任命され、同年、エリツィン大統領の辞任を受けて大統領代行に就任して以降、2期8年を経て現在のメドヴェージェフとのタンデム政権に至るまで10年間にわたるロシアの政治経済について検証。
・この間の経済成長は主に原油・ガスなど資源輸出収入によるものであって、プーチン政権の経済政策が効果的だったわけではない。逆に、原油価格上昇によるレント収入はインフラ整備などに投資活用されなかった。
・ゴルバチョフ、エリツィン政権期の「改革」の一部は放棄された。政治体制としては家父長的専制、官僚的権威主義、自由民主主義、経済体制としては国家資本主義、市場経済、賄賂やコネがまかり通る地下経済、外交的には欧米に対する協調と反発など、本来ならば両立するはずのない諸要素が同時に存在→まるで19世紀の帝政、20世紀のソビエト、21世紀の現代が共存しているような奇妙な混合体→こうしたグレーゾーンの中を揺れ動いているため、「プーチンの十年」を一言で要約するのは困難。
・プーチン政権に敵対しない限りはある程度の経済的自由。しかし、政権にすり寄った人々の念頭にあるのは国益よりも私益優先→レント・シーキング・システム。
・常に「敵」や「スケープゴート」を創出する政治手法により国民の目を外へそらす→チェチェン問題、オリガルヒ(グシンスキー、ベレゾフスキー、ホドルコフスキーなど)潰し、グルジア・ウクライナなどへの介入、NATO拡大への敵視。

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