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2011年9月 4日 (日)

【映画】「シャンハイ」

「シャンハイ」

 1941年10月、アメリカ系新聞社の上海支社にドイツから転任してきたポール(ジョン・キューザック)。彼は実はアメリカ海軍の諜報部員である。親友であった同僚が上海での任務中に何者かによって殺害された事件の真相に迫ろうとするうち、日本海軍の不審な動向に気づく。日本軍と取引をしている上海裏社会の実力者(チョウ・ユンファ)、密かに抗日レジスタンスに従事しているその妻(コン・リー)、そして敏腕の日本軍将校タナカ大佐(渡辺謙)、彼らの愛憎劇も絡みながら運命の12月8日を迎える──。

 ストーリーの脈絡が意味不明でサスペンスとしてだらけているし、時代考証も全然話にならず、結論としてはダメ映画。揚げ足取りを始めたらキリがないけど、上海にドイツ租界なんてないし。日本海軍の東シナ艦隊なんて聞いたことないし。一緒に観に行った友人は軍服が変だと指摘していたし。1941年12月8日の時点では上海で市街戦なんてやってないし(1932年および1937年の上海事変と混同しているのか)。上海近辺は汪兆銘政権の勢力範囲とされていたから事実上すでに日本軍が掌握しており、共同租界工部局は開戦後も政治的配慮からしばらく存続され、フランス租界はヴィシー政権の管理下にあった。抗日テロが頻発していたのは確かだが、12月8日の時点で戦闘らしきものと言えば黄埔江に碇泊していたイギリスの駆逐艦が撃沈されたくらいだ(なお、このときアメリカの駆逐艦もいたが、素直に降伏したのでアメリカ海軍の戦史では汚点とされている)。

【データ】
監督:ミカエル・ハフストローム
2010年/アメリカ・中国/104分
(2011年9月3日、丸の内ピカデリーにて)

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