« ファリード・ザカリア『アメリカ後の世界』 | トップページ | J.リンス&A.ステパン『民主化の理論──民主主義への移行と定着の課題』 »

2011年6月23日 (木)

岩崎育夫『アジア政治とは何か──開発・民主化・民主主義再考』

岩崎育夫『アジア政治とは何か──開発・民主化・民主主義再考』(中公叢書、2009年)

・欧米社会をモデルとした政治学理論とアジア各国それぞれに固有の社会的・歴史的事情、両方の視点を軸に東~南アジア諸国における開発体制→民主化(民主主義体制への移行)→民主主義(制度として定着)というプロセスを分析、多様な政治社会の中でも大きな枠組みとなる視点を打ち出すことで議論のたたき台を提示するのが本書の趣旨。
・普遍的公式制度/伝統的・非公式的制度→双方の相互作用によって表れる広い意味での「制度」として捉える二重構造モデル。
・開発体制:経済的開発を正統性として掲げることで、政治分野の権威主義体制と経済分野の国家主導型とが結合された体制。
・開発体制→民主化→民主主義というモデルは、アジアの伝統社会が歴史的な構造変容の中で生起した一連の政治動態であると捉え、それらの諸相を把握するための概念枠組みを段階ごとに整理しながら提示。

|

« ファリード・ザカリア『アメリカ後の世界』 | トップページ | J.リンス&A.ステパン『民主化の理論──民主主義への移行と定着の課題』 »

政治」カテゴリの記事

国際関係論・海外事情」カテゴリの記事

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 岩崎育夫『アジア政治とは何か──開発・民主化・民主主義再考』:

« ファリード・ザカリア『アメリカ後の世界』 | トップページ | J.リンス&A.ステパン『民主化の理論──民主主義への移行と定着の課題』 »