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2011年6月25日 (土)

【映画】「ファの豆腐」「NINIFUMI」「冬の日」

 何気なく観に行ったテアトル新宿のレイトショー。【movie PAO】という企画で若手監督3人による中篇映画3本立て。

 「ファの豆腐」(久万真路監督)。舞台は下町の商店街。仕事をやめて実家の豆腐屋を継ぐつもりで仕事を手伝っている女性(菊池亜希子)。冬の寒さで早起きはつらそうだが、慣れない彼女を見守る父(塩見三省)の眼差しは温かい。変わらぬ街並、同じような生活リズム。彼女が自転車を引いて豆腐を売りに行き、チャルメラを吹いてもなかなか様にならない。幼馴染みにふられ、気持ちがくじけそうになってもやがて立ち直る彼女の表情の変化、一見平淡のように見える毎日の繰り返しを映し出している中だからこそ、表情の変化がしっかりと捉えられている。菊池亜希子のさり気ないたたずまいが良い。全体的に落ち着きのあるテンポで感情的な機微を描き出しているところが印象深い。今回の3作品の中では一番好きだな。

 「NINIFUMI」(真利子哲也監督)。殺風景な国道沿いの風景が主人公(宮崎将)のすさんだように逃げ場のない心象風景を描き出している、セリフがないだけに風景そのものでよくこれだけ印象的な雰囲気を出しているなあ、と思っていたら、途中からガキのアイドルの撮影風景が紛れ込んだり、後付けのように事件性を強調したり、後半は何だか興醒め。

 「冬の日」(黒崎博監督)。事情があってカメラマンをやめ、東京から故郷へ戻ってきていた女性(長澤まさみ)が旧知のおばさん(風吹ジュン)と再会、話をしているうちに彼女がガンにおかされていることを知り、彼女を撮りたいという気持ちを奮い立たされる、という話。うーん、ストーリー的に当たり前すぎるというか、そもそも長澤まさみが「撮らせてください!」というシーンでの表情が、真剣そうではあるんだけど平板というか、かえって浮き上がってしまって、肝となるシーンの説得力が半減という印象。

(2011年6月24日レイトショー、テアトル新宿にて)

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