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2011年4月 2日 (土)

柿崎一郎『東南アジアを学ぼう──「メコン圏」入門』

柿崎一郎『東南アジアを学ぼう──「メコン圏」入門』(ちくまプリマー新書、2011年)

 東南アジアは大まかに言って大陸部と島嶼部とに二分される。大陸部を構成するベトナム、カンボジア、ラオス、タイ、ミャンマーの五カ国のいずれをもメコン川が流れており、さらに上流にあたる中国の雲南省なども含めてメコン圏と呼ばれる。本書はメコン圏を横断的につなぐルートを旅しながら、この多様で活気に満ちた地域の歴史や社会を紹介してくれる。国境を越えた人や物の動きはそれだけ経済関係の進展がうかがえるが、他方で中国とタイの存在感が突出するばかりで、他の取り残されがちな国との関係のあり方は気になるところだ。いずれにせよ、旅人の視点でスケッチする構成には臨場感があって入門書としてとても読みやすい。著者は鉄道に関心のある人らしく、『王国の鉄路──タイ鉄道の歴史』(京都大学学術出版会、2010年)という著作もある。鉄道という切り口からタイの歴史や社会をうかがうところは私としては興味深いのだが、こちらは一般読者層を意識している割には読みづらい本だった。版元の性格の違いゆえか。

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