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2011年4月24日 (日)

リンダ・ヤーコブソン/ディーン・ノックス『中国の新しい対外政策──誰がどのように決定しているのか』

リンダ・ヤーコブソン/ディーン・ノックス(岡部達味監修、辻康吾訳)『中国の新しい対外政策──誰がどのように決定しているのか』(岩波現代文庫、2011年)

・ストックホルム国際平和研究所(SIPRI)の報告書(2010年)を訳出したもの。綿密な文献調査や関係者へのインタビューを踏まえて中国の対外・安全保障政策の形成過程に関与するアクターを分析。
・中国社会における多元化の進展と国際社会との相互依存関係の深まりとによって、中国の対外政策決定過程に何らかの形で関与するアクターも多元化・細分化されている。党幹部、政府官僚、軍幹部、知識人・研究者、メディア関係者、企業経営者、さらにはネチズンなど公式・非公式に多様なアクターがそれぞれの見解や利害に基づいてせめぎ合っており、外交部はこれらの中のあくまでも一つであるに過ぎない。さらにネットを通して表れた一般世論の動向も無視できず、各アクターはそれぞれ世論に向けて影響を与えたり統制したりしようとする一方、ネット世論から制約を受けることもある(例えば、アメリカ、日本、台湾、チベット問題等)。こうした複雑な政策決定過程となっている以上、外国が中国に対して働きかけを行なう場合には、中国内部の多様な集団の利害関係を勘案しなければ話が進まない、という趣旨。
・中国の国際化という方向性については各アクターによって態度が異なる。商務部、地方政府、大企業、研究者などは積極的である一方、国家発展改革委員会(エネルギー安全保障を重視)、国家安全部(人権問題、情報の透明性など西側の価値観の浸透によって秩序が乱れることを憂慮)、人民解放軍などは消極的。
・国益を積極的に主張すべきという見解は全体的に優勢。

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