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2011年2月10日 (木)

山室新一『法制官僚の時代──国家の設計と知の歴程』

山室新一『法制官僚の時代──国家の設計と知の歴程』(木鐸社、1984年)

・言い訳めくが、頭が疲れてぼんやりした状態で読んだのでまともなメモをとっていないが、とりあえず。やはり読んどかなくちゃいけない思ってた本なので無理して読んだ。
・明治初期において新たに国民国家を形成するにあたり、国民を啓発し、国家を隆盛へと導くには舶来の「知」を導入しなくてはならないという問題意識→では、どこから? 模範国と準拠理論はどこに求めるのか?→法政思想をめぐる議論におけるフランス学、イギリス学、ドイツ学のせめぎ合いを詳細に描写。
・自由民権思想のシンボルたる中江兆民が、明治憲法体制の起草者にして民権運動に対しては弾圧者の役割を果たした井上毅の死に愛惜の気持ちを示したことをどのように考えるか?という問題提起に興味を持った。
・本来ならばみんな同じ土俵の上で国家構想を論ずるべきで、明治初年にはそうした熱気があった。ところが、自らが模範国とみなした国家を日本で実現させようと様々に構想を練り、運動する→模範国が同一ではない以上、その理念をもとに一つの勢力として集まると他勢力との争いが生ずる(もちろん、イギリス学、フランス学、ドイツ学とも共通する要素もあるし、立憲制の実現という勘所は同じと言ってもいいくらいではあるのだが)→政治への領域へと踏み込み、「旨義の争い」が「嫉妬的争い」に変質。
・世界の中の日本、その日本の中での自分たちの立場という二つの基準→自分たちの理念をもとにいかなる国家構想を目指して理論化・正当化するかという発想→「知」の推進が同時に政治勢力拡大の論理と結び付いた。

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