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2011年1月 5日 (水)

石文誠、陳怡宏、蔡承豪、謝仕淵《簡明臺灣圖史:從區域地理環境的角度看台灣史》

石文誠、陳怡宏、蔡承豪、謝仕淵《簡明臺灣圖史:從區域地理環境的角度看台灣史》如果出版、2010年

 台湾の書店で歴史関係の新刊台に積まれていたので購入した本。帰りの飛行機の中でざっと読了した。国立台湾歴史博物館の監修なので、現在の台湾史研究における基本的なコンセンサスは本書に反映されているのだろう。カラー図版が豊富できれいなつくり、各章ごとに年表も付されていて、100ページほどの分量ながらも台湾史の大きな流れがコンパクトに把握できる。

 第1章〈早期的居民〉は考古学・民族学的な成果から原住民の存在に注目。第2章〈異文化的相遇〉はオランダ人・スペイン人の台湾来航により、ヨーロッパ人・漢人・原住民の三角関係が形成、原住民も含めて世界規模の商品経済との接触が始まったことを指摘。第3章〈唐山過台湾〉は鄭成功など漢人の来台について。第4章〈地域社会與多元発展〉は漢人の定住化、農業・商業の発達について。第5章〈鉅変與新秩序〉は日本による植民地化・近代化によって台湾の社会生活が一変、他方で圧制もあり、苦楽悲喜こもごも、一言では言い尽くせない複雑さ。以上、台湾の地域特性を踏まえながら社会史的変化に着目しているのが本書の特色である。南方系原住民がいて、大陸から漢族が来て、オランダ人・スペイン人の来航で世界経済システムと接触して、日本統治期があって、このような形で見えてくる多元的な重層性として台湾史を捉える視点はすでに定着していると言えるだろうか。

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