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2010年12月26日 (日)

渡辺利夫・朝元照雄編著『台湾経済読本』

渡辺利夫・朝元照雄編著『台湾経済読本』(勁草書房、2010年)

・「近代化における人的資本の形成:植民地時代の学校教育」:林茂生のコロンビア大学提出博士論文「日本統治下における台湾の学校教育」(1929年)を読み直しながら、日本の植民地支配には不合理な側面が多々あった一方で、学校制度導入→台湾近代化の基礎が築かれたことを指摘。

・「経済発展段階と工業化類型」:1950年代の輸入代替工業化→1960年代の輸出志向工業化→1970年代の第2次輸入代替工業化(重化学工業化)→1980年代のハイテク産業、こうした段階移行のプロセスについて開発経済学の理論を用いて説明。

・「台湾の日系企業」:戦後日本の台湾への直接投資は1952年から始まった。60~70年代は労働集約型産業の家電・電機産業、1980年代は技術集約型産業の精密機械・自動車産業、2000年代から液晶テレビなどハイテク産業。日系10社のケースを分析。台湾拠点で育った人材(中国語)を活かして中国拠点へ派遣する例も目立つ。

・「市場の中の血縁関係」:グループ企業内の縁戚連関を数量的に解析、大きなグループ同士がますます結び付きやすい傾向を指摘。台湾は富の均等化のバランスをとりながら発展に成功したモデルといわれる→一部の階層化傾向を指摘することで反論の根拠として提示。

・「財政金融システム」:産業構造の変化に応じて改革に成功してきた台湾の財政システムの変化をたどる。

・「人口と労働力」:台湾での少子高齢化への人口転換は日本を上回るペース→人口・労働構造変化に応じたセーフティネット構築の必要。

・「技術競争力」:インプット・アウトプットの各指標の分析→インプットとして研究開発投資は先進国水準。アウトプットとしては基礎科学では遅れをとり、応用分野ではトップレベル。

・「対中経済関係と今後の展望」:台湾と中国との経済関係の進展を概観。

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