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2010年11月 1日 (月)

【映画】「クロッシング」

「クロッシング」

 ニューヨーク、ブルックリンの犯罪多発地域では、白人警官が黒人青年を射殺した事件に住民が反発して騒然としている。この地域を管轄するニューヨーク市警の警察官三人。定年退職を間近に控えたエディ(リチャード・ギア)は、役立たずの自分に対して自己嫌悪を感じているが、ある日、拉致されて行方不明となっている女性を見かけ、連れ込まれた先へとつけて行った。家族のために大きな家に引っ越したいのだが資金繰りに悩んでいるサル(イーサン・ホーク)は、マフィアのアジトの強制捜査のどさくさにまぎれて金を盗もうと思っていたが、ある日、作戦が中止、やけになって一人で強奪に行った。マフィアの大物キャズ(ウェズリー・スナイプス)の下におとり捜査で潜り込んでいるタンゴ(ドン・チードル)は、信頼していたキャズが殺され、その報復を心に決めた。同じ市警に勤務しながら接点がなかったが、奇しくも同じ日、同じ場所に向かった三人、それぞれの運命が交錯する。

 アントワーン・フークワ監督の映画では以前にデンゼル・ワシントン、イーサン・ホーク主演の「トレーニング・デイ」を観たことがあるが、悪徳ベテラン刑事と新米刑事との立場が逆転して様がスリリングに描かれてとても面白かった覚えがある。この「クロッシング」も単なるクライム・サスペンスというよりは、三人それぞれの心の軌跡を描くヒューマン・ドラマとしてよく出来ている。社会派的背景を持った群像劇という点では、例えばある事故をきっかけに人種の坩堝としてのアメリカの姿を浮き彫りにしたポール・ハギス監督「クラッシュ」に興味を持った人ならこの映画も面白く感じるかもしれない。

【データ】
監督:アントワーン・フークワ
2008年/アメリカ/132分
(2010年10月30日、新宿・武蔵野館にて)

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