伊勢﨑賢治『国際貢献のウソ』
伊勢﨑賢治『国際貢献のウソ』(ちくまプリマー新書、2010年)
現場経験豊富な著者がNGOのマネジメント、国際協力ボランティアのあり方、硬直化した国連のジレンマ、ODAのあり方や自衛隊の使い方についての提言といったテーマで語る。タイトルは「暴露もの」風でやや挑戦的。もちろん、著者が何者か知っていれば誤解することはないだろうが、「国際貢献」「ボランティア」といった言葉で一般に流布された精神論的な聖なるイメージではかえって問題のありかが誤解されかねないという問題意識が込められている。現場ではミッションの目標をとにかく効率的かつ着実に実現させる必要があるわけで、割り切ったマネジメントの感覚が求められるという指摘は建設的だ。
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