【映画】「ブレス」
「ブレス」
自殺未遂を繰り返す死刑囚と、元恋人だと偽って彼のもとにたびたび訪れる女性の話。実際にはあり得ない設定だが、キム・ギドク監督の映画は寓話性が強く、ストーリーの背後にどんな解釈が可能かと深読みの余地があるところに魅力を感じている。ただ、この作品の場合、私があまり気合を入れないで観たせいか、いまいちよく分からなかった。主役は台湾のチャン・チェンで、韓国語はおそらくできないからであろう、無口な死刑囚という設定だ。そういえば、キム・ギドクは「悲夢」でもオダギリ・ジョーを主演に起用、他の出演者はみな韓国語だが彼だけセリフは一貫して日本語、二つの言語を平行させることで『荘子』にある「胡蝶の夢」にヒントを得た二重世界のモチーフをたくみに表現していた。それぞれ台湾、日本を市場として見込んでの起用だと思うが、~人として登場させるのではなく、属性を捨象して物語に取り込んでいけるのはキム・ギドク作品で展開される寓話の完成度がそれだけ高いからだ。
【データ】
監督:キム・ギドク
2004年/韓国/86分
(DVDにて)
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