【映画】「遠くの空」
「遠くの空」
証券会社に勤める主人公(内山理名)の部署に韓国支社からやり手の韓国人の部長(キム・ウンス)が転任してきた。父親ほど年齢の離れた彼にファザコンの彼女はアプローチ、デートを重ねるうちに過去の話を聞くことになった。彼が学生運動のリーダーとして関わった光州事件の苦い思い出、それは在日韓国人の母を持つ彼女にも実は関わりのあることだった、というストーリー。
考えてみたら今年は光州事件から三十周年なのか。この事件について知らない世代に向けて語るシチュエーションを設定したかった意図は分かる。しかし、それにしてもストーリー展開にはこじつけが強すぎて無理がある。全体的にきれいに作られてはいるが、その分、学生運動挫折の葛藤に説得力がない。残念ながら、映画としての見ごたえはいまいちだ。日本で韓国ものをつくると黒田福美の起用はマストなのか。
【データ】
監督:井上春生
2010年/85分
(2010年10月2日、新宿・K’s cinemaにて)
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