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2010年9月 1日 (水)

西川潤・蕭新煌編『東アジア新時代の日本と台湾』

西川潤・蕭新煌編『東アジア新時代の日本と台湾』明石書店、2010年

日台関係を軸に様々なジャンルの論考を集めた論文集。取りあえず目次だけ書き写しておくと、
第Ⅰ部 グローバル化時代の東アジアと日台関係
・西川潤「東アジアの平和と台中、日台関係」
・天児慧「東アジアをめぐる国際構造と中国・台湾」
・蕭新煌・蕭良其「馬英九政権と台湾・日本の関係」
・赤羽淳「台湾経済は空洞化するか?」
・佐藤幸人「高度化し、水平化する日台企業間関係」
第Ⅱ部 台湾人のアイデンティティーと日本
・黄智慧「ポストコロニアル台湾における重層構造─日本と中華」
・丸川哲史「台湾史と国共史の間─日本語世代から新台湾人世代へ」
・李明璁「台北西門町に見る東京的消費風景─脱領域から再領域化へ」
・陳培豊「演歌の在地化─重層的な植民地文化からの自助再生の道」
第Ⅲ部 植民地時代の台湾と日本
・西川潤「日本の台湾統治思想─後藤新平、田健治郎、矢内原忠雄」
・春山明哲「台湾旧慣調査の歴史的意義」
・陳艶紅「台湾文学史上における『民俗臺灣』」

 私が興味を持ったのは、日本と国民党による二重のポストコロニアル状況として台湾を捉える中で原住民、和佬人、客家人、(日本)内地人、外省人の5グループが交錯した複雑なエスニック関係に着目した黄智慧論文。脱領域的な消費文化として台北に東京が再現された西門町に注目(『Taipei Walker』などを分析)する李明璁論文。演歌を手掛かりに二重のコロニアル状況を分析した陳培豊論文。それから私個人の関心から陳艶紅論文。陳艶紅『『民俗臺灣』と日本人』(台北:致良出版社、2006年)は『民俗臺灣』に集った池田敏雄、金関丈夫、中村哲、立石鉄臣、国分直一などの具体的な人物像がまとめられておりとても参考になった(刊行地は台北だが、日本語で書かれている)。

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