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2010年8月 8日 (日)

【映画】「フロスト×ニクソン」

「フロスト×ニクソン」

 ウォーターゲート事件で大統領を辞任してから沈黙を守っていたニクソンにテレビの連続インタビューの申し込みがあった。依頼主はイギリスのトークショー司会者であるフロスト。組しやすしと判断したニクソンは受諾した。アメリカでの知名度アップを狙うフロストだが、対するは名うての策士ニクソンである。のらりくらりと論点をはぐらかして自己正当化を図るニクソンの話術に翻弄されてしまう。

 ニクソンがウォーターゲート事件への関与を初めて認めたテレビ・インタビューの模様を描く。もともとは舞台作品だったそうで、言葉のやりとりそのものに緊迫感を持たせる構成となっている。言葉を使ったルールなき格闘戦、4ラウンドの最後でフロストが一発逆転という筋立て。ただし、勝利の爽快感はむしろ抑え気味だ。かつてニクソンが大統領選挙でケネディに敗れたとき、敗因はテレビ映りの悪さだった。ラジオで討論を聴いた人はむしろニクソンに軍配をあげたとも言われる。このテレビ・インタビューでも、ニクソンが事件への関与を認めたというスクープ以上に、その時の彼の表情を捉えたことが大きくものを言った。選挙では政策論争が重視されるべきと一般論としていわれても、実際には論理的説得よりも映像など印象で物事が判断されやすい危うさが背景から見えてくる。

【データ】
監督:ロン・ハワード
2008年/アメリカ/122分
(DVDにて)

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