接接(JaeJae)《接接在日本:台灣、日本大不同》
接接(JaeJae)《接接在日本:台灣、日本大不同》(商周出版、2010年)
台湾に行き、帰りの飛行機で暇つぶしになる本はないかなと探していたら、書店の新刊台に積まれていたので購入した本。タイトルを意訳すると、『接接が見た日本、台湾と日本は大違い!』ってところか。奥付を見ると、2010年7月20日初版で、8月2日初版9刷となっている。重版1回につき何部刷っているんだ? よほどのベストセラーなのか。
日本人と結婚した台湾の女の子・接接が日本で暮らし始めて、日本語を猛勉強したり、台湾との生活習慣の相違に戸惑ったり、夫が実はゲーム・オタク(宅男)であることが判明して唖然としたり、と日本と台湾とのカルチャー・ギャップをコミカルに描いたイラスト・エッセイ。たとえて言うなら、小栗左多里『ダーリンは外国人』が夫婦間のカルチャー・ギャップを描いてベストセラーになったが、その設定を台湾人妻+日本人夫にしたような感じだ。
職場の飲み会での飲酒前/飲酒後という日本人の変身ぶり。終電間際、泥酔者がゴロゴロしている新宿駅。食堂では真冬でも「おひや」が出るのに驚いたり、食べ残しを持ち帰りたいと言ったら日本人は恥ずかしがるのを不思議に思ったり。同僚とお弁当のおかず交換で鶏足を出したら「野蛮だ」と言われたが、そう言う日本人だって魚の生けづくりなんて残虐じゃないかと反撃。日本では台風休暇がないことに不満タラタラ、暴風雨の中でも頑張って出社しようとする人々を実況中継、等々。日本人自身でも意外と自覚していないポイントも結構ついてきて、彼女の驚きを通して台湾側の生活習慣も見えてくる。なかなか面白かった。この手のカルチャー・ギャップものは(悪意さえなければ)愉快に笑えるから好きだな。
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