ヤマザキマリ『テルマエ・ロマエ』
最近どんなマンガが面白いのか情報に疎い。何かないかなあ、と思いながら書店で物色していたら、「マンガ大賞2010、手塚治虫文化賞W受賞」というポップにひかれて、ヤマザキマリ『テルマエ・ロマエ』(エンターブレイン、2009年)を買った。ラテン語で「ローマの風呂」という意味か?
古代ローマの風呂造り技師が毎回日本の銭湯や温泉にタイムスリップして、その風呂文化の先進性に驚く、という話。確かに風呂文化という点で古代ローマと日本とでは共通性があるし(高校の世界史で「カラカラは何した人か?」という質問に「お風呂をつくった人」と答えた同級生がいた。教科書の写真で見たカラカラ大浴場の印象が強かったのだ。ちなみに、答えは「すべての属州自由民にローマ市民権を与えた」)、例えば秋田のしょっつると古代地中海の魚醤の味が似ていることなど背景考証もしっかりしている。単に面白いというのではなく、こんなマニアックな題材でよくここまで描けるものだと感心した。
感心ついでに同じくヤマザキマリの新刊『涼子さんの言うことには』(講談社、2010年)も買って読んだが、こっちはいまいちだな。
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