【映画】「午後3時の初恋」
「午後3時の初恋」
台湾の青春映画。親しい人への記憶、それが失われていくことの切なさをテーマとしたラブストーリー。飲んだくれの父を尻目に一人で時計店を切り盛りしている青青(郭碧婷)。ある日、水にぬれた時計を修理して欲しいという青年が訪ねてきた。彼は高校の同級生だったという。周囲に関心のなかった青青に覚えはないが、彼は彼女のことをよく知っていた。午後3時きっかりにやって来る無口で生真面目な彼のことが気になり始めるが、少し様子がおかしい。やがて彼が二重人格者であることを知る。その人格分裂は高校生の頃のある出来事がきっかけらしい──。
舞台となっている古びた街並みは台北郊外の菁桐だろう。商店街のすぐ店先を平渓線のローカルな車輌が通り過ぎていく光景、それを取り巻く瑞々しい緑。行ったことがあるので、すぐに分かった。最近では霍建起監督「台北に舞う雪」もここを舞台にしていた。映画撮影に人気のスポットなのか。それから、病院玄関のシーンは侯孝賢監督「悲情城市」にも出てきた建物ではないか。ヒロイン青青役の郭碧婷は台湾ではモデルとして有名らしい。ストーリーはともかく、ノスタルジー漂う街並みに美少女という取り合わせはすごく好きだなあ。青年役の張孝全(ジョセフ・チャン)は「花蓮の夏」に出ていたのを覚えている。
【データ】
原題:沉睡的青春
監督:鄭芬芬
2007年/台湾/92分
(DVDにて)
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