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2010年6月 1日 (火)

山口昌子『ドゴールのいるフランス──危機の時代のリーダーの条件』

山口昌子『ドゴールのいるフランス──危機の時代のリーダーの条件』(河出書房新社、2010年)

 第二次世界大戦とアルジェリア独立問題という二度の危機を乗り切ったカリスマ的存在感、米ソ超大国の狭間で埋没しかねない局面の中でたくみに自主外交を打ち出したしたたかさ。政治におけるリーダーシップをテーマとしたドゴールの評伝である。

 強力なリーダーシップを裏返せば“独裁者”というレッテル貼りもされかねないが、サルトルをはじめ左派系知識人によるそうしたドゴール批判の浅はかさに対する反論も大きな柱となっている。ドゴールの生涯を描くというよりもドゴールという人物に仮託して現代政治の不甲斐なさを叱咤するという感じの筆致であり、当時における国内政治・国際環境の力学的関係の中で彼の政治行動を位置付けるという視点でもない。結局、「ドゴールは偉大だった!」という結論になってしまう。著者の思い入れも過ぎると、かえって興醒めしてしまうのが残念なところだ。

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