« 篠原初枝『国際連盟──世界平和への夢と挫折』 | トップページ | 竹中治堅『参議院とは何か 1947~2010』 »

2010年6月 5日 (土)

「パーマネント野バラ」

「パーマネント野バラ」

 離婚して実家に子連れで出戻ったなおこ(菅野美穂)。母親(夏木マリ)は美容院・パーマネント野バラを切り盛りしている。男で失敗続きの友達(小池栄子、池脇千鶴)に、いつも猥談に興じてばかりいる常連のおばさんたち。なおこは人目を忍んで昔なじみの恋人に会いに行くが、何か事情がありそうな様子。

 西原理恵子原作の映画化が続いている。登場人物の性懲りないバカさ加減にあきれ果てつつ、そのみじめさには放っておけない人間くささがあっていとおしく感じさせる。ラフな絵柄と笑いというオブラートにくるまれてはいても、彼女たちを見据える視線はえげつないほど冷ややかであり、それなのに矛盾するようだが温かい。醜い猥雑さの中にもほのかに漂ってくるペーソスが西原作品の何とも言えない魅力だ。

 なおこの見る幻影は、淡いノスタルジックな恋心というだけでなく、このみじめな人生の中でも気丈さのよすがとなる何かを求める気持ちの表われと言えるのだろうか。菅野美穂のたたずまいに清潔感があってそうした印象を受けた。監督は吉田大八、以前、本谷有希子原作の「腑抜けども、悲しみの愛を見せろ」を観たことがあったが、美しい農漁村の風景の中でもジトジト湿っぽい田舎の人間関係みたいな設定は同様で、そういうテーマの志向性があるのか、たまたまなのか。

【データ】
監督:吉田大八
原作:西原理恵子
脚本:奥寺佐渡子
出演:菅野美穂、小池栄子、池脇千鶴、宇崎竜堂、夏木マリ、江口洋介、他
2010年/100分
(2010年6月4日、新宿ピカデリーにて)

|

« 篠原初枝『国際連盟──世界平和への夢と挫折』 | トップページ | 竹中治堅『参議院とは何か 1947~2010』 »

映画」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/197828/48545054

この記事へのトラックバック一覧です: 「パーマネント野バラ」:

« 篠原初枝『国際連盟──世界平和への夢と挫折』 | トップページ | 竹中治堅『参議院とは何か 1947~2010』 »