譚璐美『中国共産党を作った13人』
譚璐美『中国共産党を作った13人』新潮新書、2010年
1921年7月22日、上海で中国共産党第一回全国代表大会が開催された。この時点を以て組織としての中国共産党が成立したわけだが、党史の正統的見解に抵触するタブーでもあるのか、成立当初の実態はあまり知られていない。本書は歴史の表舞台から消えていった中国共産党初期の人物群像に焦点を当てる。
第一回大会参加者13人のうち1949年の中華人民共和国成立まで幹部として残ったのは毛沢東と後に副主席となる董必武の二人だけ。残りは国民党や軍閥の弾圧で落命したり、権力闘争に敗れるなど、様々な理由で脱落していった。周仏海と陳公博は汪兆銘政権に参加したため漢奸として獄死もしくは刑死している。13人のうちには日本留学経験者が多いのも目立つ。
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