「ある子供」
「ある子供」
かっぱらいでその日暮しをしているブリュノ。恋人のソニアが出産したが、あまり興味はない様子。赤ん坊を抱いて嬉々としているソニア、しかしブリュノはあろうことかその子を売り飛ばしてしまう。ソニアの激しい拒絶にあって何とか取り戻したものの、彼の中途半端にやくざな生活は変わらない。
細かい額の金勘定のシーンがやたらと目立つ。金がなくて、希望の見えない刹那的な気分の中でのブリュノの無思慮。彼の表情に屈託がないだけ余計に痛々しい。タイトルを見ると、子供ができたにもかかわらず、大人になりきれない無鉄砲な青春という意味合いのようにも受け止められるが、むしろ社会格差的な背景を想定する方が彼の行動は納得しやすいような印象を受けた。
【データ】
原題:L'Enfant
監督・脚本:ジャン=ピエール・ダルデンヌ、リュック・ダルデンヌ
2005年/ベルギー・フランス/95分
(DVDにて)
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