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2010年4月 4日 (日)

「NHKスペシャル アフリカンドリーム 第1回 “悲劇の国”が奇跡を起こす」

「NHKスペシャル アフリカンドリーム 第1回 “悲劇の国”が奇跡を起こす」

・16年前におこったジェノサイドから何とか立ちなろうとしているルワンダの現状をリポート。大虐殺から逃れたツチ族の難民たち→ディアスポラ。海外のビジネスで成功した人々が国家再建のため帰国しつつあるという。他方で、周辺国に流出したフツ族難民も帰国しつつあるが、彼らは貧しいまま。帰国しても生計を立てる手段がない。虐殺の怨念に加えて、貧富の格差も新たな火種になりそうな様子である。
・焦点が当てられるのは、海外で成功して帰国したツチ族の実業家。故郷の村(そこで母と妹が殺害された)に戻って、フツ族の住民たちと一緒にコーヒーの栽培・加工・流通の共同事業を立ち上げようとしている。民族対立の怨念を乗り越えようと努力する姿が映し出される。相互の不信感は難しそうだが、「同じルワンダ人なのだから一緒にやっていけるはずだ」という母の残した言葉を心に抱いているという。
・アフリカではエスニック・グループ間の対立感情が相互に足を引っ張り合う方向で作用してしまうことが往々にしてある。国家建設において、物理的インフラだけでなく、一つの国家において民族感情の対立を超えたナショナル・アイデンティティーの確立そのものが心の内なるインフラとして重要であることは、例えばポール・コリアーなどが指摘していた。

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