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2010年3月22日 (月)

日端康雄『都市計画の世界史』

日端康雄『都市計画の世界史』講談社現代新書、2008年

 都市はその時代ごとの政治・経済・社会的要因が関わり合ったダイナミズムの中から生成し、古代以来、そのあり方は都市計画として表われてきた。本書は、世界史的な視野の中で都市の類型や要件、格子状街並の普遍性、バロック都市、社会改良主義の都市計画(住環境の悪化、人間疎外→コミュニティ再構築という問題意識)、近代的都市計画(大規模化ではなく、分節化の再組織)といった流れを概観。海外との比較を通して日本の都市の問題も浮き彫りにされる。都市問題についてのレファレンス本として重宝する。様々な論点の中でも関心を持ったのをメモしておくと、
・日本の都市には城壁がない(外敵の脅威なし。戦争は国土や人民の奪い合いではなく、天皇の取り合い。中世動乱期の寺内町のような例外もある)→近代的都市化→城壁を崩して環状道路をつくるなどの都市計画ができず。城壁という区分がないので周囲の自然地域・農村へ都市が侵食。
・バロックの都市計画(例えば、オースマンのパリ大改造):市役所が開発し、不動産売却→開発資金を調達→市場主義社会における公共事業経営のモデル。
・東京は道路・敷地割が無秩序→ゾーニングにおける規制はかえって無秩序な街並のさらなる形成につながるおそれあり。

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