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2010年3月31日 (水)

蛇蔵・海野凪子『日本人の知らない日本語2』

蛇蔵・海野凪子『日本人の知らない日本語2』(メディアファクトリー、2010年)

 夜、職場に残ってクスクス笑いながら読んでいた。うさんくさげな視線を向ける帰り際の同僚、でも私が手にしている本を見て納得の様子。

 鋭いツッコミや思いがけないボケでハラハラさせる留学生たちと、受けて立つ日本語学校の先生。日本語をめぐるカルチャー・ギャップを描きこんだマンガである。このシリーズは文句なく面白くて好きだな。単に笑えるというだけでなく、見事に実地の比較言語論、比較文化論になっているから侮れない。例えば、「先生が早く結婚するのを願ってます」とおおっぴらに言う中国人に対して、欧米人は「なぜ他人のプライバシーに口を挟むんだ?」と冷ややか。マンガやアニメが好きで来日したオタクが多いが、同じオタクでもフランス人とアメリカ人とで態度の取り方が違うのも面白い。

 カバーをめくって本体表紙にある4コママンガも意味深だ。「大人の理由で紙袋をかぶせてあります」と注釈がついて紙袋で顔を隠して描かれる留学生。日本のニュースには殺人の話が多い、自分の故郷にはそんなことなかったのに…。いや、待てよ、ひょっとして報道されていないだけなのか? 「先生、殺人のニュースが多いのは、とても良いことなんですね!」

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