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2010年2月12日 (金)

ポール・ジョンソン『チャーチル』

Paul Johnson, Churchill, Viking, 2009

 ウィンストン・チャーチルのエネルギッシュな生涯を描いた伝記。イギリスの歴史家の書く伝記というのは微に入り細を穿って浩瀚なボリュームに圧倒されることもあるが、本書はポイントを絞って叙述の流れをつくり、ストーリーテリングもうまいので気軽に読める。第二次世界大戦におけるリーダーシップを山場に、そこに至るまでの紆余曲折をたどる構成。戦間期、議席を失い、株価大暴落で資産も失い、平和主義世論の中で彼の強硬論はエキセントリック扱いされるという逆境にあった。ヒトラーの台頭に伴って再び注目を集めて強力な戦争指導者として表舞台に返り咲くあたりの描写はグイグイと引き込まれる。ただし、あまりにチャーチル大絶賛なので若干興醒めもした。ポール・ジョンソンは日本でも知られた歴史家だし、分量的にも手頃なので、日本語訳も出るのではないか。

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