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2010年2月13日 (土)

飯島渉『感染症の中国史──公衆衛生と東アジア』

飯島渉『感染症の中国史──公衆衛生と東アジア』中公新書、2009年

 ペスト、コレラ、マラリアなど感染症の流行に対する取り組みが東アジアの政治・社会にもたらした変容が描かれる。単なる疾病対策というのではなく、統治技術でもあるという二面性に焦点が合わせながら、個々の具体的な動きが整理されており、興味深く読んだ。日本が植民地台湾で実施した西洋医学に基づく公衆衛生制度(公医制度・保甲制度→警察との結びつき、医学校設置→台湾人エリートの誕生)は、台湾人社会への権力的介入をもたらした(→社会システムの再編)。この制度は他の植民地に応用されたばかりでなく、中華民国もモデルとして積極的に導入した。中国にとってはナショナリズム→主権国家として検疫権の回収という問題でもあった。文明/野蛮に二項対立に衛生/非衛生という差別意識も加わったことも指摘される。

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