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2010年1月10日 (日)

台湾南部旅行④1月3日 竹田、鳳山、高雄

【竹田】
・佳冬から再び列車にゆられて30分ほど、次は竹田で下車。
・竹田車站のホーム脇に無人駅舎があるが、戦前に建てられた木造の日本式駅舎も残されている。竹田の旧名は頓物。
・駅から外に出ると、左側にも日本式家屋がある。池上一郎博士記念文庫。地元の人がボランティアで運営する図書館で、日本語の書籍がたくさんあるということは知っていたので立ち寄った。
・池上一郎はお医者さんで、第二次世界大戦中に軍医として召集を受け、竹田駐屯部隊の野戦病院長として赴任してきた。竹田にいたのはほんの数年間だが、この地の印象が非常に強かったらしく、戦後も台湾からの留学生を支援、竹田にも書籍や奨学金の寄附を行ったという。池上から寄贈された書籍をもとに図書館として開館し、その後も日本・台湾各地から書籍が寄せられているそうだ。日本語の勉強会も行われているらしい。
・残念ながら4日まで休館となっている。建物の周囲はガラス張りだが、中には誰もいない。とりあえず建物の写真だけ撮って、さて、どうしよう、と思案していたら、スクーターに乗ったおばさんがやって来て、館の前に停め、鍵を開けて中に入って行った。どうやら関係者らしい(帰国後にネットで調べたらこの文庫の館長さんだった)。開いた扉のすき間から顔を出して、「ちょっとおたずねしますが、今日は開館してませんよね?」とタドタドしい中国語で声をかけてみた。おばさんはびっくりしていたが、私が日本人だと分かると、快く中に入れてくれた。さらに奥にある扉を開けて電気をつけてくれた。書庫である。壁際の棚に日本語の本がぎっしりと詰め込まれている。見た感じ、比較的新しい本も多い。
・広間に戻り、壁に張り出されている写真や揮毫などを拝見させてもらう。私が中に入っているからだろうか、近所の人たちも次々と中に入ってきた。古い『文藝春秋』をパラパラめくっている女の子を指して「この子も日本語を勉強しているんだよ」。「中国語はどうなの?」「我不会中文…」「台湾語、わかるか?」「不会、不会!」申し訳ありませんが、台湾語はもっと分かりません…。
・おばさんは、日本語は片言程度なら分かるようだが、込み入った話は難しい。どこかに電話をかけて、私を呼んだ。壁にある集合写真の一人を指さしながら「劉さん。ここの理事長ね」受話器を受け取って耳にあて、「ウェイ? もしもし」と言うと、「明けましておめでとうございます」と丁寧な口調が聞こえてきたので、慌てて「明けましておめでとうございます」と返した。互いに一通り自己紹介。「今日は閉館日なんですよ。いらっしゃるときには是非お電話をください」館内に日の丸の寄せ書きがあり、来館者にサインを求めているというので、私も一筆書かせていただいた。帰り際にはお茶までいただいてしまい、劉理事長にも電話だけできちんとしたごあいさつができなかったので、帰国後にお礼状を書いた。
・館内に入り込んできた近所の人々の中から一人の青年をおばさんは呼んで、文庫と駅の前で写真を撮ってあげなさい、と頼んでくれていた。前に書いたように、私は基本的に自分の写真は撮らないことにしているが、好意をむげにするわけにはいかないからお言葉に甘えた。その青年は日本語は分からないが、ロンドンに留学したことがあるとのことで「日本人なら英語は分かるだろう」と英語で会話、漢字の筆談を交える。私はメモ帳にペン書き、彼は携帯電話にチャカチャカ文字入力。ただし、私は英語の本は読めるが、聞き取りやしゃべりは全くダメで、例えば彼がジョークを言ったのに、「pardon?」「what do you say?」「what do you mean?」を繰り返してようやく、ああ、そういうことね、というさまにならない体たらく。帰国後に感謝とおわびのメールを送った。

【鳳山】
・列車が遅れたせいもあって、高雄に戻ったときにはすでに18:30過ぎ。あたりはすでに暗い。いったん宿舎に戻って軽くシャワーを浴び、再び高雄車站から台鉄列車に乗って一駅隣の鳳山へ行く(15元)。南口から出てまっすぐのびる道を歩く。
・曹公廟。清朝の道光年間、鳳山県知事として赴任してきた曹謹という人物が水路を整備して(曹公圳と呼ばれている)この地の人々の生活を安定させたことから、彼を神様として祀ったお堂である。堂内に掲げられている扁額を見ると水利組合関係者のものが多いが、政治家の揮毫になるものもいくつかあり、新しいものでは国民党の連戦、珍しいものでは第五代台湾総督・佐久間左馬太のものもあった。
・台湾は雨もよく降るので肥沃な土地のように思われるが、意外と水はけが悪くて農業用水にはいつも困っていたらしい。台湾各地で見られるため池は水を確保するための工夫の一つだが、水路網の整備はとりわけ台湾の人々から感謝される大事業であった。曹公はその功績から神様として祀られている。八田與一も日本人だからというのではなく、烏山頭ダムと嘉南大圳という水利網整備事業そのものが感謝されたわけで、台湾でなぜ彼の知名度がこれほど高いのかはこうした台湾の文化的背景を知ってみると得心がいく。
・城隍廟は曹公廟から歩いて2,3分ほどのところにある。夜19:00を過ぎて、参詣者は少ないが、灯りが煌々と灯って、入りやすい。城隍廟とは街の守り神、司法の神様としても崇められているらしい。堂内は奥行きがあって、司法関連の様々な概念が具現化された神像が並んでいる。正面奥にある、老けた顔立ちのチビとノッポの二人組みは一体何と言う神様なのだろう?(帰国後に調べたら、これが七爺八爺のようだ)不思議にちょっとおどろおどろしくて目を引いた。

【夜の高雄】
・鳳山でKRT橘線に乗り、美麗島站でKRT紅線に乗り換え、三多商圏站まで行く。
・大遠百Feというデパートの上にある誠品書店高雄店に再び寄って、ぼんやり書棚を眺める。
・手持ちの観光ガイドを見ると、自強路夜市は地元の人々で賑わうと書かれていたので、歩いていく。確かに屋台は出ていたが、閑散としており、人出が少ないと屋台もあまりおいしそうに見えない。ここで夕食をすまそうと思っていたのだが、当てが外れた。
・市の中心部を縦につっきる中山路を渡って反対側に行き、新堀江商店街。こちらは若者の闊歩する街路で賑わいはある。台北の西門町、日本でいうと渋谷か原宿のような雰囲気か。
・中央公園站からKRT紅線に乗って高雄車站まで戻る。

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