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2009年11月 3日 (火)

ベネデット・クローチェ『思考としての歴史と行動としての歴史』

ベネデット・クローチェ(上村忠男訳)『思考としての歴史と行動としての歴史』(未來社、1988年)

・「あらゆる歴史的判断の根底に存在する実践的欲求は、あらゆる歴史に「現代史」としての性格を与える。というのも、そこに含まれている諸事実がたとえ年代的にどれほど古く見えようとも、それはつねに現在の欲求と状況とに関わっている歴史なのであり、それらの諸事実がその鼓動を伝えるのは現在の状況のなかにおいてであるからである。」…「わたしはそれらの歴史を文章にしてあるいは頭の中で書くことによって、わたしが現在置かれている状況の歴史を書いていることになるのである。」

・アーノルド・トインビーが、大学でトゥキュディデス『戦史』の講義をしていた時に第一次世界大戦の勃発を目の当たりにして、はじめてトュキュディデスの受けたであろう衝撃に思い至ったというエピソードを思い起こす。この体験が彼の比較文明論のきっかけになったというのは有名な話。

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