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2009年8月23日 (日)

ETV特集「シリーズ戦争とラジオ(2) 日米電波戦争」

ETV特集「シリーズ戦争とラジオ(2) 日米電波戦争」

・アメリカ国立公文書館で発見された、太平洋戦争中にアメリカで傍受されていたラジオ・トウキョウの記録。ベアーテ・シロタも傍受に動員されていた。
・東京ローズの蓮っ葉な感じのディスクジョッキー→単純な戦意高揚宣伝よりも、東京ローズのくだけた口調の方がアメリカ兵の郷愁を誘って一定の効果あり。
・アメリカ側スポークスマンのザカライアス海軍大佐による放送と、日本側の同盟通信・井上勇による応答→日米双方の意図の探りあい。具体的には、「無条件降伏」とは言っても、その中での「条件」は何か? アメリカ側には大西洋憲章を基礎とする意向があるのを知り、日本側も対応を検討できた。
・日本は、どんなに被害があっても常に「軽微」と表現していたが、原爆投下後、その残虐性を強調する対外放送。
・8月10日の夜、ラジオ・トウキョウは、「国体護持」を条件にポツダム宣言受諾の用意あり、と放送。8月11日には世界中に知れ渡る。
・ザカライアスは日本滞在経験があり、高松宮の訪米時には三ヶ月間随行した。番組のメインテーマではないが、戦争終結にあたり、アメリカ側における知日派の存在が大きな和役割を果したことを改めて考えさせられた。例えば、平川祐弘『平和の海と戦いの海』(講談社学術文庫)や五百頭旗真『日米開戦と戦後日本』(講談社学術文庫)なども参照のこと。

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