ピエール・ブルデュー『市場独裁主義批判』
ピエール・ブルデュー(加藤晴久訳)『市場独裁主義批判』(藤原書店、2000年)
ブルデューのネオ・リベラリズム批判の発言を集めた本。何だかアジテーション・ビラみたいな語り口にちょっと違和感もあったが、関心を持ったポイントを箇条書きすると、
・“能力”を中核とした社会システムの正当化→“能力”形成には教育問題等様々な事情が関わってくるわけだが、そうした個別の事情は一切オミットされて、倫理的基準に置き換えられてしまう。
・グローバル化による不安定な就労状況そのものを企業は戦略的に活用→国内労働者は地球の裏側の外国人労働者と競争→人件費抑制等の名目で“弾力化”→新しいタイプの支配様式。
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