『昭和の東京──路上観察者の記録』
路上観察学会(赤瀬川原平・藤森照信・南伸坊・林丈二・松田哲夫)『昭和の東京──路上観察者の記録』(ビジネス社、2009年)
街をブラブラ歩きながら、何気ない佇まいに情緒を感じて一人勝手に感動したりするのが私は好き。古い建物、キッチュな看板、変なんだけど妙に気持ちがひかれるものが、目を凝らせば街には結構ある。本書は、街歩きの達人たちが撮り集めた、東京に残る昭和の“古き良き”変なものの写真集。こういう本は大好き。
路上観察学というのはなかなか奥が深い。必要とされるのは、第一に、着眼点。第二に、その背景を説明する博識。第三に、写真につけるキャプションでオチをつけるユーモアあふれる機知。とりあえず、赤瀬川原平『超芸術トマソン』(ちくま文庫、1987年)、藤森照信『建築探偵の冒険 東京篇』(ちくま文庫、1989年)、赤瀬川原平他『路上観察学入門』(ちくま文庫、1993年)、『トマソン大図鑑』(無の巻、空の巻、ちくま文庫、1996年)、藤森照信・荒俣宏『東京路上博物誌』(鹿島出版会、1987年)といったあたりはどれもオススメ。
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