「中原淳一展」
「中原淳一展」
先週、「新・日曜美術館」で中原淳一の特集をやっていた。中原は戦前から少女雑誌のいわば牽引役を務めてきた。彼の描く少女たちの姿は、昭和前半期のレトロなイメージの代表格として誰しも思い浮かべられる点で、一つの時代の文化的雰囲気を作ったと言ってもいいくらいだろう。おめめパッチリ、瞳の中でお星様キラキラ。少女マンガの源流は中原のイラストにある。明朝体風の乙女チックなロゴデザインも印象に残っている。時代がくだるにつれて少女のアゴのラインが細くなっていることを番組中で井上章一さんが指摘していたが、かわいい女の子→カッコいい女の子という変遷が見える。中原の描く少女は、たまに見る分には結構嫌いじゃない。柏木博さんは、イラストというだけでなく、雑誌編集者として評価していた。
銀座松屋で「中原淳一展」をやっていた。彼が初めて個展を開いたゆかりの場所らしい。職場から近いのでちょっと抜け出して見てきた。ビアズレーを思わせる影絵風の絵は意外だったけど、これはなかなか好きだな。来場者の九割以上はおばさん、おばあさんで占められていて、私はちょっと浮いていたかもしれない…。
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