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2009年3月 4日 (水)

E・H・カー『ロシア革命 レーニンからスターリンへ、1917-1929年』

E・H・カー(塩川伸明訳)『ロシア革命 レーニンからスターリンへ、1917-1929年』(岩波現代文庫、2000年)

 ロシア革命について大づかみできる本は何かなかったかな、と本書を思い出して、本棚から引っ張り出し、ざっと目を通した。とりあえず興味を持ってメモした論点を箇条書きすると、
・レーニンの少数精鋭主義(戦闘者集団として不適格者は排除)→レーニンの死後に大量入党→これには反対派の排除も伴い、党と国家を融合させた指揮・監督機構の形成。
・ゴスポラン内部での経済論争→「発生論者」(経済情勢の客観的傾向性に留意、旧メンシェヴィキが多い)と「目的論」(政治的な計画を重視。共産党員が多い)→後者のイニシアチブ→生産合理化のための機械等が乏しいから個々人の肉体労働に依存、一種の精神主義。
・自給自足的な農民の行動は予測不可能→食糧徴発などの計画に狂い。
・マルクス主義者は経済の工業化・近代化に傾倒、軍隊や官僚はロシア民族の権力と威信に傾倒→両者が相俟って、党・政府・行政機構の統制力へ求心力→ここにスターリンの指導力が求められた。
・1922年、死の床にあったレーニンの口述→スターリン、ジェルジンスキー、オルジョニキーゼらはグルジア問題で性急な態度を取ってグルジア人側を硬化させたとして、大ロシア排外主義だと批判(ただし、三人ともロシア人ではないが)。

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