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2009年1月19日 (月)

「耳に残るは君の歌声」

「耳に残るは君の歌声」

 1927年、ロシアの農村。幼い少女フィゲレが父親に肩車される、林の中の牧歌的な風景。ソ連時代に入ってもポグロムは尾を引きずっているのか、ユダヤ人である彼女の村は焼打ちされた。父親はアメリカに渡り、フィゲレは孤児としてイギリスにもらわれてスージーと名前を変えた。父親譲りの美声に恵まれた彼女はパリのオペラ団に入り、ジプシー(ロマ族と言うべきか)の青年と出会う。折りしも、第二次世界大戦が勃発、パリはナチス・ドイツに占領された。ユダヤ人である彼女は、父がいるはずのアメリカへと発つ。

 イギリスで育った彼女はロシア語もイディッシュ語も分からない。名前は変わり、定住場所もない。生きるよすがとなるのは、握り締めた父の写真と、耳に残った父の歌う子守唄。動乱の時代、同様に故郷喪失した人々もおりまぜ、時代に翻弄されつつも前向きに生きようとする女性の姿を描いている。

 この時代を背景としたヒューマン・ドラマは基本的に好きでよく観る。この映画も決して出来は悪くないし、バックに流れるオペラの朗々たる歌声は良い雰囲気を出しているとも思うのだが、私にはそれほど深い印象も残らなかったな。

【データ】
原題:The Man Who Cried
監督・脚本・音楽監修:サリー・ポッター
出演:クリスティーナ・リッチ、ジョニー・デップ、ケイト・ブランシェット、ジョン・タトゥーロ
2000年/97分/イギリス・フランス
(DVDにて)

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コメント

民族問題を描いた映画でしたら、「ビフォア・ザ・レイン」が良いですよ。逃亡しないように髪を切られたムスリマの少女と、イケメンのオーソドクス修道僧に萌え。

投稿: Mセンセー | 2009年1月20日 (火) 21時30分

ミルチョ・マンチェフスキですね。以前、「ダスト」は観に行ったのですが、「ビフォア・ザ・レイン」は噂を聞きつつも、まだ観てませんでした。探して観てみます。(そう言えば、以前すすめてくださった「ココシリ」もまだ観てません…。お話をうかがった直後にBSで放映されていたのに気付かずスルー、レンタル屋行っても貸出中ということが続いたもので…)

投稿: トゥルバドゥール | 2009年1月21日 (水) 01時54分

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