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2008年10月11日 (土)

普通に日記+写真集など立ち見のこと

 さてさて株価大暴落。通勤途中に某証券会社の株式情報ディスプレイがあって、そこはニュース映像でよく映し出される所なのだが、今週は連日テレビカメラがスタンバってました。株式運用になぞまるっきり縁のない私でも否応なく緊迫感が感じ取られてしまいます。ガセも含めて色々キナくさい噂もとびかってますが、いかがなものなのでしょう?

 とは言いつつ、そんな世間を尻目に、この連休はお引越しです。とりあえず梱包作業の目途がついたので、一休みがてらここに書き込んでいる次第。ただ、手元に本が何もないので(全部ダンボールの中)、今週、書店の美術書コーナーで立ち見したことなど。

 廃墟が好き。放置され、なりゆくままに乱雑に崩れかかった様には作り物にはない哀感が漂っていて、ひきつけられます。小林哲朗 『廃墟ディスカバリー 』(アスペクト、2008年)、HEBU『廃墟/工場』(インフォレスト、2008年)、いずれも良いですねえ。ローカル鉄道の無人駅を撮り集めた牛山隆信・栗原景『秘境駅』(メディアファクトリー、2008年)も事実上、廃墟みたいなもんでいい味だしてます。

 私は何事によらず“裏”というのに結構興味があって、たとえば普段でも、旅行先でも、好んで裏道に入り込みます。キレイに飾り立てた表通りよりも、生々しいものにむしろ落ち着きが感じられるというか。その点で、佐藤信太郎『非常階段東京』(青幻舎、2008年)はなかなか良い。ビルの裏側にある非常階段から見える風景を撮り集めた写真集。他人様のビルに勝手に入り込むわけにはいかないですから、そういう見てみたくても普段見ることのできないアングルを代って映し出してくれています。繁華街のネオンが、表通りから見るよりも実に美しい。

 やなぎみわ『Fairly Tale 老少女綺譚』(青幻舎、2007年)。ゴシック・ロマン風のつくりで中をめくると、シワクチャ婆さんのメイキャップをした少女が登場。実写なので、大友克洋『AKIRA』よりも生々しい。そんな醜怪な老少女を、美少女がいたぶってます。むう、欲しい…と思ったが、造本に凝っているので価格設定は高め。断念。

 ヤン・シュヴァンクマイエルの手になる絵本『不思議の国のアリス』『鏡の国のアリス』(エスクアイアマガジンジャパン、2006年)もあった。シュヴァンクマイエルでアリス…、これも見たい!と思ったが、がっちりビニール包装されていた。買えってことだが、懐がさびしいもので…。去年開催されたシュヴァンクマイエル展の図録が横に積まれていたのでこちらをパラパラめくる。アルチンボルドを意識した変な人物像とか、白眼をむいた人形とか、まあなんとグロテスクなことよ。このタッチでアリスというのはますます見たくなってきます。

 佐内正史の初期作品をリプリントした『Trouble in Mind』(マッチアンドカンパニー、2008年)が並べられていたが、それよりも私が気になってしまうのは、『a girl like you 君になりたい。』(マガジンハウス、2005年)。いま活躍中の美少女モデルや女優を撮り集めた写真集だが、ずっと面陳され続けている。かなりのロングセラーだ。表1に宮崎あおい、表4に蒼井優という取り合わせの時点で本来の私なら(どんな私だ?)とっくに買っていてもおかしくないのだが、なぜか躊躇している。

 ロングセラーといえば、『石田徹也遺作集』(求龍堂、2006年)もいつも面陳されている。奥付を確認すると、すでに8刷。この手の画集では異例ではないか。私も去年、日曜美術館で紹介されているのを見てすぐに買った。キッチュな人物像、しかしその無表情に、何か痛々しい感情を絵に書き写すことで透明なものに昇華させようとしているようなもがきというか、そんなものが感じられて、時々見入ってしまう。このブログでいつかコメントしようと思っていたのですが、なかなか言葉になりません。それから、松井冬子の画集も相変わらず目立つところで面陳され続けていますな。

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