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2008年5月 1日 (木)

「砂時計」

「砂時計」

 父が事業に失敗してしまったので、杏(夏帆)は母親(戸田菜穂)と共に島根の祖母(藤村志保)の家に身を寄せる。母は鬱病で自殺してしまった。悲しみにくれる杏を暖かく受けいれてくれる三人の友人たち、とりわけ恋人の大悟の支え。ところが、父に引き取られて杏は東京に戻り、四人の仲は徐々にほころび始めてしまう。

 一定の時間が過ぎると過去が未来になる砂時計が映画を通してのモチーフとなっている。この村でのつらい記憶も、暖かく甘酸っぱく楽しい想い出も、それぞれ切り離せるものではない。そうしたすべてをひっくるめて自分の足跡を刻みつけてきた時間なのだから目を背ける必要はないという意味が込められているのだろうか。だいぶたるい感じもあって必ずしもよく出来た映画とは言えないが、私はそんなに嫌いでもない。

 大人になった杏(松下奈緒)が過去を振り返るという形式をとっている。キャスティングのトップには松下の名前があるが、主役は明らかに夏帆だろう。美しくのどかな山野の映像を見ているだけでも気持ちはなごむ。その中で、制服姿の夏帆が、時にのびやかに、時にセンシティブな表情の揺れを見せる。うーん、かわいいなあ。そういえば、「天然コケッコー」でも舞台は島根だったな。

【データ】
監督・脚本:佐藤信介
原作:芦原妃名子
2008年/121分
(2008年4月29日、渋谷、アミューズCQN)

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