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2008年3月 4日 (火)

「ライラの冒険──黄金の羅針盤」

「ライラの冒険──黄金の羅針盤」

 我々が暮らす世界と似てはいるが、どこか違うパラレル・ワールド。マジェスティー(教権)が支配する世界。人々は、動物の形を取った守護精霊“ダイモン”を連れ、彼と語り合い行動を共にしながら日々の生活を送っている。

 親友が何者かにさらわれたライラは探しに出かけるが、彼女もまた“教権”のコールター夫人(二コール・キッドマン)に追われる。導き手は黄金の羅針盤。旅の途中で出会った仲間たちと共に北の国へと向かい、ライラはそこで自分自身にまつわる秘密を知る──。

 今作は三部作中の第一部らしい。原作のことは知らないのだが、多くのエピソードがつまっているのだろう。駆け足でまとめた感じで、事態がどこまで進行しているのか、頭を追いつかせるのに精一杯。ただし、ファンタジー映画というのは世界観の広がりに魅力があるわけで、その点では十分に楽しめた。

 意味深な箇所も散りばめられている。たとえば、人々は“自由”に耐えられないから“教権”を求めているのだというコールター夫人の話などカラマーゾフの大審問官を想い起こさせるし、なぜ“教権”は“ダイモン”切り離しの人体実験をやろうとしていたのかも気にかかる。そもそも“ダイモン”なんて、ソクラテスを連想させる。

 なかなか豪華キャストで、目立たない所でも、たとえばよろいグマ・イオレクの声はイアン・マッケランがやっているし、“教権”最高首脳部の面々の中にクリストファー・リーの姿が一瞬だけ映ったり。第二部以降で重要な役回りを果すのだろうか。

【データ】
英題:The Golden Compass
監督:クリス・ワイツ
2007年/アメリカ/113分
(2008年3月2日、新宿ミラノにて)

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