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2008年1月31日 (木)

赤瀬川原平『老人力』

赤瀬川原平『老人力 全一冊』(ちくま文庫、2001年)

 はい、突然ですが『老人力』。ひところ話題になりました。

 ところで、みなさん、この言葉を正しく使ってますか? たとえば、タフで元気なおじいちゃんを見て「老人力だよなあ」ともっともらしくうなずく人がいますが、間違ってます。もちろん、赤瀬川さんは間違ったからって怒るような心の狭い方ではございません。ただ、まじめくさった顔してフルスイングで見当違いな空振りをされると、傍らで見てて、こそばゆいというか、こっちまで恥ずかしくなっちゃってすごくイヤなんですね。

 もの忘れが激しくなったら、余計なものを頭からドンドン捨てて身軽になってるんだと考えてみる。“記憶力が落ちた”のではなく、“忘却力が強まった”という感じに。今ある自分の状態を肯定的に捉えなおしてみると、意外と新発見がある。それが“老人力”。

 こうあらねばならぬ、こうせねばならない、と思いつめると疲れるし、生きづらい。要は発想の切り替えです。“老人力”という呪文を唱えると、あら不思議、マイナスが瞬く間にプラスに大変身! 自分に与えられたあるがままを、そっくりそのまま面白がっちゃえばいいのです。つきつめれば、“悟り”の境地ですな。

 赤瀬川さんが犬連れてボーっと散歩してるのとすれ違ったことが何回かありますが、実に良いお顔です。“老人力”をしっかり実践されてるのでしょう、“仙人”と呼びたくなるようなオーラが漂ってます。脱力的に意外と真理をついてるって感じで、私は好きです。

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