« アマルティア・セン『アイデンティティに先行する理性』 | トップページ | 「ジェシー・ジェームズの暗殺」 »

2008年1月29日 (火)

「ネガティブハッピー・チェーンソーエッヂ」

「ネガティブハッピー・チェーンソーエッヂ」

 制服美少女が謎のチェーンソー男と夜な夜な闘うという意味不明なイメージは意外と私のツボにはまった。まあ、アニメやゲームでありがちなパターンなのかもしれないが。関めぐみは「鴨とアヒルのコインロッカー」や「包帯クラブ」ではあまりパッとした印象はなかったが、この映画での武器を構えたスラリとした立ち姿はきつめの顔立ちも相まってなかなか凛々しくて目を引く。高校生活の倦怠感と、そこから逃げ出そうとするかのような夜の闘いという二本立てで物語は進む。戦闘シーンにいまいち迫力がないのが残念。もっと激しく闘って映画全体にメリハリをつけて欲しかった。微妙に青春映画しているので、ダラダラと陳腐でそんなに面白くはない。

 原作の『ネガティブハッピー・チェーンソーエッヂ』(角川文庫、2004年)は滝本竜彦のデビュー作。“ひきこもり”やってた時に無我夢中で書き上げたらしい。人生の無意味に立ちすくむ倦怠感・虚無感、そのくせ自意識過剰、そういった諸々を振り払うように突っ走って死んでしまいたいという心理を、ライトノベルのタッチによく汲み取っていて面白いと思う。

 『NHKにようこそ!』(角川文庫、2005年)はまさに“ひここもり”生活そのものを、『超人計画』(角川文庫、2006年)はその後のリハビリ過程(?)をパロディめかして描写。“ひきこもり”文学と言ったらいいのか。自分をパロディ化できるってことはつまり、自分の状況が客観的に分かっているということ。自分の恥ずかしくてコンプレックスを抱えている部分を突き放して書いてしまうのも一つの手だ。なお、前者はNHK=“日本ひきこもり協会”だが、この“NHK”に様々な意味を持たせるところにストーリー上のカギがある。後者では綾波レイが進行役で登場。いまや美少女キャラのスタンダードですな。

|

« アマルティア・セン『アイデンティティに先行する理性』 | トップページ | 「ジェシー・ジェームズの暗殺」 »

映画」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/197828/17870977

この記事へのトラックバック一覧です: 「ネガティブハッピー・チェーンソーエッヂ」:

« アマルティア・セン『アイデンティティに先行する理性』 | トップページ | 「ジェシー・ジェームズの暗殺」 »