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2007年11月18日 (日)

台湾に行ってきた⑦(誠品書店にて)

(承前)

 11月10日、土曜日。台湾滞在最後の日である。台湾の書店業界をリードしているという誠品書店の噂を聞いたことがある。是非一度は見てみたいと思っていたので、敦南本店へ足を運ぶことにした。

 MRT忠孝敦化駅で下車、徒歩3,4分くらいか。大きなビルの2階にあり、エスカレーターであがる。シックな内装で、落ち着いた雰囲気。ジュンク堂と青山ブックセンターを足して2で割った感じか。何よりも驚くのは24時間営業ということだ。日本には現時点ではそんな書店はない。短期強行軍の我々は時間の効率的活用のため早朝に行った。さすがに客の入りは少ない。床に座って居眠りをしている人をみかけた。

 店舗のレイアウトが実に凝っている。棚が並ぶ、というよりも、ジャンルごとの小スペースを組み立てていると言ったらいいのだろうか。中国語・英語・日本語の本が分け隔てなく同じ棚に並ぶ。窓際は一段高い外回り廊下。書籍とは別になった雑誌売場では、ゆるやかならせん状のスロープを上ったり、下りたり。店舗内を移動するにもメリハリがあって面白い。

 カタツムリの殻を上から見て真ん中あたりのスペースにファッション雑誌が平積みされている。菅野美穂が表紙を大きく飾る雑誌を手に取ったら、『with』の中国語版だった。他に日本語の雑誌もあるし、また純然たる台湾発行の中国語雑誌でも装飾的にひらがな・カタカナを使っているのもあり、そういったのが近くに並んでいるので紛らわしい。日本の雑誌で英文を普通に使うように、台湾の雑誌でも日本語を使っているようだ。同行のHによると、たとえば“の”という字は@みたいでかわいらしいから使ってみようといった感じの発想があるらしい。それから、『東京人』のバックナンバーがずらりと揃っているのにも驚いた。

 日本の現代小説の翻訳が実に充実しており、名のある作家ならば必ずと言っていいほどにある。ここが旗艦店だからということではない。たとえば台北駅地下の中型店舗でも、村上春樹や吉本ばなな(香蕉と表記されていたように思う)は当然のこと、石田衣良の「池袋西口広場」シリーズが机を使って大々的に平積みされていたし、なぜか山本文緒も多かったな。『のだめカンタービレ』のキャラクターを使ったクラシック紹介本も見かけた。とにかく挙げ始めたらきりがない。マンガ・アニメ関係はチェックする時間がなかった。

 日本の書籍の凝ったつくりに慣れてしまうと、たまに洋書を手に取ったとき、ペーパーバックのつっけんどんというか、その無造作なつくりにどことなく寂しさがわきおこってしまうことがある。台湾の書籍文化には日本の影響があると言われるが、ペーパーバックが主流なのは日本と異なるところだ。ただし、デザイン的に丁寧なつくりをしており、その点では日本の書店に置いても違和感はないと思う。同じ中国語でも、大陸で出版された本は神保町の東方書店や内山書店で手に取ることができるが、やはりつくりは粗い。造本文化という点でも大陸と台湾とでは大きな隔たりがある。

 書店を歩き始めると、やはり何冊か買わないと気がすまない。以前、ソウルを歩いた時にも、その頃は韓国の近代思想にちょっと興味があったので、金玉均や兪吉濬など開化派についての本を3冊ほど買ったことがある。韓国の人文系の学術書はタイトルに漢字が使われているので、一応何をテーマにした本なのかは分かる。ただし、その後、韓国語の勉強が進まず、いまだにほこりをかぶったままなんですけどね…。もちろん、中国語も苦手だが、全く読めないわけでもないので、いくつかみつくろって買った。むしろ、台湾で用いられている繁体字の方が、大陸の簡体字よりも意味を取りやすい。

 台湾の近代史に関わるところで人物中心に、前に挙げた李莜峰・荘天賜編『快読台湾歴史人物』Ⅰ・Ⅱ(台北:玉山社、2004年)の他、葉榮鐘『台湾人物群像』(台中:晨星出版、2000年)を購入。それから、張超英・口述、陳柔縉・執筆『宮前町九十番地』(台北:時報出版、2006年)は元外交官の自叙伝のようだが、きれいな本で面陳されていたので手に取った。黄俊銘『総督府故事──台湾総督府曁官邸的故事』(新店:向日葵出版、2004年)は台湾総督府を建築の観点から紹介した本で、写真や図版も豊富。阿盛『夜燕相思燈』(台北:遠流出版、2007年)は文学関係のあたりで平積みされており、写真と散文の組み合わさった見た目にも情感のある本。立ち読みで内容が把握できるほどの中国語力はないので、とりあえず見た目の印象で買った。

 実は、大きめのリュックサックひとつで台湾に来た。誠品書店以外に故宮博物院や総統府内の売店でも色々と資料を買い込んでしまったので、結局、キャリーバックを買ってそれに本をつめて帰国するはめになる。

(続く)

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