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2007年11月22日 (木)

「恋空」

「恋空」

 むう…。つらかった。涙が出た。あくびをこらえるのに精一杯だったんで。原作はケータイ小説ということで予想はしていた。いちいちくさすのも野暮だけど、やっぱり書いちゃう。美嘉『恋空』(スターツ出版、2006年)は実体験に基いているらしいが、だから感動的ということにはならない。音楽も大げさにどんなに盛り上げようとしたところで、純愛というよりも、単に思慮が無いだけじゃないかという以上の感想は出てこないな。新垣結衣をメインに据えて大々的に宣伝キャンペーンを打ってなければマイナーB級映画で終わる程度の内容。

 それにしても新垣結衣のブレイクぶりはすさまじい。かくいう私自身、ガッキー目当て。ひそかに写真集を買ってしまったほどのファンだが、彼女の表情はかわいくても、必ずしも演技に見るべきものがあるわけではない。初々しさだけで2時間の長丁場はさすがに飽きがくる。ミスチル・ファンとして、エンディングに「旅立ちの唄」が流れたのは嬉しい。

 満席に近い盛況だったが、観客層はカップルか10代・20代の女の子たちが中心。以前、ケータイ小説がベストセラーにずらりと並んだのを見て驚き、リサーチのつもりで何冊か目を通したことがある。日本語の小説を横組みで読むのはつらいというだけでなく、質的にもケータイ小説とケータイ小説以外のすべてとでは読者層はほとんど重ならないことは推測できた。そんな層の中に紛れ込んだのだから、昨日観に行った「呉清源」の時とはまた違った形で私は浮いてたんだろうな。

【データ】
監督:今井夏木
出演:新垣結衣、三浦春馬、小出恵介、香里奈、浅野ゆう子、高橋ジョージ、他。
2007年/127分
(2007年11月18日、新宿バルト9にて)

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