「ショコラの見た世界」
「ショコラの見た世界」
七年前にこの世を去った姉、ショコラこと初子(竹内結子)にお話をせがんでいた頃のことをテンコこと典子(大塚ちひろ)は今でも夢に見る。ある雨降りの日、ショコラの恋人だったジダンこと治男(和田聰宏)と偶然出会った。なつかしくて喫茶店で語り合ううちに、ジダンは携帯に残されたショコラの映像を見せてくれた。不思議な世界を旅していたショコラにテンコは再会する。
もともと携帯電話のCMとして作られた映像をストーリー的にふくまらせて映画として再構成したそうな。行定勲の映画を観るのは久しぶりだが、やはり映像はきれい。ショコラとテンコの住んでいた不思議な造りの家は好きだなあ。雨降りの日、空間的には薄暗いんだけど、沈んだ感じもなく落ち着きある喫茶店で語り合う二人の雰囲気や、虹の生まれる木がある海辺のシーンのうっすらとセピアがかった色合いなども結構良い。
セリフまわしはちょっとわざとらしいし、ストーリーも冷静に考えればしょぼい。家でDVDで観るとたぶん興ざめしてしまうだろうが、こういうファンタジックに美しい映像は映画館の大きなスクリーンで堪能すると悪くない。
【データ】
監督:行定勲
出演:竹内結子、大塚ちひろ、和田聰宏
2006年/50分
(2007年10月26日レイトショー、新宿バルト9にて)
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