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2007年10月20日 (土)

「十二人の写真家」

「十二人の写真家」

 木村伊兵衛、三木淳、大竹省二、秋山庄太郎、林忠彦、真継不二夫、早田雄二、濱谷浩、稲村隆正、渡辺義雄、田村茂、土門拳という十二人の写真家たちの撮影風景を撮り集めたドキュメンタリー。五十年前に作られた映画なので当時の日本の風景が見られるのが興味深いし、オーケストラによる古風に大げさな音楽もどこかレトロな雰囲気が漂う。私は写真について専門知識はまったく持ち合わせていないが、漠然と好きなので観に行った。

 トップバッターは、カメラを持って街中を歩く木村伊兵衛。フィルムが古いのでコマ送りが速いせいか、セカセカした感じ。人々のさり気ない一瞬を捕らえるリアリティーを求めて早撮りにこだわっているとのことだが、歩きながらとにかく撮りまくる。隠し撮りというほどではないが、懐に抱えていたカメラをいきなり出して撮るので、さり気なくというよりもちょっと怪しい。それがまた妙にユーモラス。

 撮影風景の映像にかぶせるように、写真家それぞれのコメントが朗読される。大抵は自身の撮影スタイルや理念について語るのだが、土門拳は独特だ。──僕はご飯が好きだ、パンは胃に悪い。トンカツもウナギも好きだが、天ぷらはいただけない。塩せんべいをかじると頭にガンガン響いてよろしくない….と好き嫌いについて延々と羅列するだけ。それが子供たちを撮るシーンにかぶさっていて、違和感がないというのも不思議だ。

【データ】
監督:勅使河原宏
49分/1955年
(2007年10月19日レイトショー、ポレポレ東中野にて)

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» 勅使河原宏の『十二人の写真家』 [Sightsong]
ポレポレ東中野で、『十二人の写真家』を、最終日に何とか観ることができた。 1955年、写真雑誌の肝いりで、勅使河原宏が撮った1時間の映画だ。時期でいうと、1953年に初めての監督作品『北斎』を撮っており、その後、亀井文夫について『流血の記録 砂川』(1956年...... [続きを読む]

受信: 2007年10月27日 (土) 08時20分

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