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2007年7月17日 (火)

「ルネッサンス RENAISSANCE」

「ルネッサンス RENAISSANCE」

 近未来都市というとどんな光景を思い浮かべるだろうか。私はやはり、リドリー・スコット監督「ブレードランナー」の雑然とした貧民窟をイメージしてしまう。岩井俊二監督「スワロウテイル」もこれを意識していたな。あるいは、アニメで言うと「攻殻機動隊」なども思い浮かぶ。東京オリンピックをリアルタイムで見た世代に聞くと、首都高速の立体交差を見て、これこそ未来都市だ!と感じたらしい。そういえば、アンドレイ・タルコフスキー監督「惑星ソラリス」の初めのあたり、車に乗って移動するシーンでまさに東京の首都高速が背景に使われていた。もっと上の世代に聞くと、小松崎茂のイラストをあげるかもしれない。

 「ルネッサンス」の舞台設定は2054年のパリ。現代の我々からすると半世紀後の近未来。予告編は思わせぶりでカッコよかった。今はなき香港の九龍城を洗練させたように壮麗な建造物を上方から俯瞰し、アングルが徐々に下がるにつれて人々の動きが少しずつ見えてくる。都市の重層的な巨大さを印象付ける。人物の微細な動きまで再現した、モノクロームで鋭角的にスタイリッシュなアニメーションを見せつけられ、これは絶対に観に行かねばと興奮した。

 しかし、ストーリーがしょぼい。不老不死の秘密を突き止めた美人研究者が誘拐されて、アヴァロン社なる巨大企業の野望が背景にあって、破天荒なアウトロー的捜査官が美人研究者の姉と唐突に恋に落ちて、とやたらにくどい展開の割には基本線はありきたりで単純。目が疲れやすい映像なんだから、もっと簡潔にまとめろよ。早老症の人物の顔はどうしても大友克洋監督「AKIRA」を連想してしまうな。映像はとにかくカッコいいので一見の価値はあると思うが、上映終了後、あちこちから「ああ眠かった…」とため息がもれていたことも付け加えておく。

【データ】
監督・デザイン原案:クリスチャン・ヴォルクマン
声の出演:ダニエル・クレイグ、イアン・ホルム、ジョナサン・プライス他
2006年/フランス・イギリス・ルクセンブルク/106分
(2007年7月16日、シネセゾン渋谷にて)

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