「パプリカ」
◆「パプリカ」
他人の夢に侵入できるPT機器。不安神経症治療のために開発されたものだったが、何物かによって盗まれてしまった。人々の無意識が混淆し始めるパニックの中、パプリカと呼ばれる“夢探偵”が出動する。筒井康隆の原作を手際よくアレンジし、人間の無意識が織り成す有象無象をイメージ化したアニメーションである。
今敏には「パーフェクトブルー」(1997年)や「千年女優」(2001年)などの作品があるが、いずれも登場人物が目まぐるしく入れ替わるスピーディーでリズミカルな映像作りの巧みさに感心した。そうした映像構成が、今回の「パプリカ」でも、夢に現れる取り留めない無意識の世界を描き出すのに効果的に使われている。流れるように転変する映像に平沢進の音楽がうまくのっており、これも良かった。帰りにサントラを買ってしまった。
【データ】
監督:今敏
原作:筒井康隆
音楽:平沢進
声の出演:林原めぐみ、江守徹、大塚明夫、古谷徹、山寺宏一、筒井康隆他
2006年/90分
配給:ソニー・ピクチャーズ
(2007年1月13日、テアトル新宿にて)
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